- 作者: クリフォード・ストール,Clifford Stoll,池央耿
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1991/09/30
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (40件) を見る
話の内容は前回紹介した通り、そして今回はついにハッカーの居場所をつきとめて逮捕まで至る。
この事件以前にはコンピュータシステムが出荷されるときに固定のユーザ名とパスワードがセットされた状態で出荷されて、システム管理者がそれを変更しなかったために完全な権限を奪われてしまうという今では到底考えがたいケースがあったり、ユーザーにランダムなパスワードをつける癖がなかったり、コンピュータセキュリティというものが今ほど広く浸透した考え方ではなかったのだろう。それもアメリカの軍関係だったり軍事企業だったりにおいてもそうだったようである。「我々の機密は厳重です」と言った次に侵入の証拠をつきつけられるのは担当者はどういう気持ちだったのだろう。
「こんなの今じゃありえない」と簡単に断じることはできず、重大な情報漏洩は現に起きてしまっている。
危機管理意識が云々とか以前にコンピュータの歴史の一ページを感じられる読み物として非常によく書かれているのでコンピュータを知らない人にもおすすめ。ある程度コンピュータを勉強している人(特に昔のUNIXだったり昔のコンピュータアーキテクチャの勉強は避けて通れないISの人間)にはさらに面白いネタがたくさんあるので非常におすすめできる。最後はもうあまりの面白さに勢いで読み切った感じ。