chronotaxis見てきました

まぁ上にも書いてるんですが、ほんとにいいもの見せてもらいました。とりあえず感想書きそびれた分こちらにガリガリ書いておく感じに。ネタバレになってしまうのでネタバレ部分は続きを読む記法で隠しておいて。
まだあと3日やってるので、明日以降時間のある方には本当に薦められる作品です。

演劇の様式について

まぁ上にも書いたとおり、30人〜40人規模の小劇場は初めてでした。見たことあるとすれば500人レベルの大劇場のもので、それこそ大道具がターンテーブルで入れ替わるみたいな化け物みたいな舞台で。w
それゆえの特徴といえばそうなのですが、大道具の移動を一切しない、むしろ大道具って概念がない演劇でした。それこそ自分が高校でやったやつは他のクラスに比べて大道具ガリガリ動かす演劇で(→演出が中学時代の同期なのでアレは明らかに某中学発祥の文化だろうな)、大道具のような「小細工」なしでここまでイメージ作りができるってのは本当にすごいと思いました。気に入ったのは街のシーンの台詞回し。主要キャスト2人か3人以外は町の人役+固定台詞を言う感じで、その固定台詞も後半になるにつれて少しずつ形を変えていく感じで。音楽でいうところのソナタ形式とか変奏曲形式で主題が何度も形を変えて繰り返されるのを思わせるつくりです。

脚本について

脚本はそこまでORBITAL MANEUVERべったりではなくて最低限の設定を借りた上での話といった感じです。音楽の話は後で書くのでそこにしておいて。
chronotaxis、直訳すると「時走性」とでもなるんでしょうか、そのタイトルの意味に通じる部分は特に後半部で多く見られました。ともすると前半部の印象が薄くなるくらい、後半部の作りこみがすごかった。前半部は各キャラクターの役回りとスタンスの提示に伏線を張る感じで、後半部からが本当の話って感じでしょうか。
内容的には、記憶屋の存在に相当考えさせられるものがあった。冷徹に仕事を貫くそのさまは他の登場人物から明らかに一線を画した存在。

音楽について

特に「音楽と舞台の融合」ってことで、しかも音楽やってる側から気になる音楽の部分。思ったのは、ほとんどの部分でその場面にあった音楽が流れてる感じでした。他の舞台では無音や効果音のみといった部分が多いのに対して、全体的に音楽が流れているというイメージですね。これを単一のソースじゃなくて複数から集めてきたというからこれまたびっくりです。まず初めのgeotaxisの後半部にあわせて舞台が始まるところからびっくり。でもうラストシーンでのORBITAL MANEUVER曲の使われ方ときたら…うーんすごい。完全に雰囲気に合う音を作ってしまうのが「舞台と音楽の融合」の理想(=オペラとか)になるんしょうけど、同一主題を持つものとそれ以外をこういう風に組み合わせてくる手があったか…といった感じでした。あと台詞読みも音楽を計算に入れてる感じなのがまた音楽と合っててよかったですね。普通の演劇だとあまりかっちりはめることはしない感じがするので…

楽屋オチ

けっこう多かったなぁ。w
マイナーなネタでいえば台詞の中に「ざわ…ざわ…」っていうのが入ってるのは気にならなかったものの(自然な流れだったから)、町人役が「3つが透明なやつがほしいんだよ!」みたいなことをいってたので狙ってるのかと思ってしまいました。w

コメントがついてるのでレスも兼ねて

制作のみなさま、本日はほんとにいい時間をありがとうございました。ここまで手の込んだ広報活動やってるのも本当にすごいなぁって思います。こういう広報活動からあまり演劇に触れたことない人でも入っていける感じがしますし。あとこういう創作の形にはやっぱり芸術やってる人としてあこがれるしそのすごさはほんとによくわかります。また次回も機会があれば見に行きます。


追記:来年文化祭で演劇やる弟にも薦めておきました。w