Yggdrasill Minstrelsy

どうやらLが1個多いみたいですね。いちおうちゃんとこっちで書いておきます。w


そんなわけで、ユグミン1周聴いてきました。とりあえずレビューまで。

  • うおおお、ちゃんと低音までオーケストレーションされてる…!MP3版ではほとんど気にしてなかったような木管低音(よーするにファゴットとかコントラファゴットとか:音域的に後者もありそう)までしっかりオーケストレーションされてます。普通ここまで手込んだことしてくれる人って珍しいので木管低音担当としてうれしい限りです。
  • しかし2曲目はオケやってる人間としてはいまひとつ。というか木管低音はワルツでそんな吹き方しません…。1回聞いただけではなんともいえないのですが少し余韻を残す吹き方をしたいところです。
  • にしても生バイオリンはやっぱり違う!音に透明感があるというか音が生き生きしてるというか。やっぱり微妙にtr1、tr2に感じる違和感はシンセゆえの違和感なのか。
  • オリジナル言語の歌詞について。tr4が思いっきりドイツ語由来でtr6が思いっきりフランス語由来ですね。tr4は定冠詞などから明らか、tr6は発音体系と冠詞・助動詞などがフランス語。あとtr5はスペイン語ポルトガル語の空気が漂う感じ、tr3,9は多分北欧の言語をベースにしたもの、tr8は主語が動詞・名詞に含まれて活用する感じだから古典ラテンをベースにしたもの?こういうところが気になってしまうのはどうなんだろうかw
  • なんとも言いがたいのですが、聞いててかなり自然に聞こえます。むしろ歌詞カードは2周目以降は気になったとき以外は見ないほうがいいかもしれない。「ドイツ語」はやっぱり習ってると気になってしまうんですけどね…。多分手が加えられてるので通常のドイツ語と同じ感覚では読めないでしょう、だって普通に1年やっててもこっちの単語は全く把握できないもん。
  • トラック個別の感想
    • tr3 "Garden of the palace":ここはLiaっぽさが生きてるトラック。前までとはうってかわって激しい雰囲気に。そして変拍子いいよ変拍子
    • tr5 "Return to the sea":tr8とtr9もですが、これ聞いてIkukoすげーと思いました。初めて聞くんですけど、力強い歌声はこういう民俗音楽調のものにはすごくあってる気がします。歌詞の言語の選択も曲調に対してすごく自然。
    • tr7 "Breath of the wall":大嶋節発動。Paradise Lostと同じUilleann Pipe使ってるのでしょうか、Paradise Lostを彷彿とさせる曲でした。でブックレットの絵のような怪しげな感じが出てる曲です。
    • tr8 "Rising from the falls":今作で一番気に入った曲。歌詞の韻の踏み方にリズム感に、ツボ突きまくりです。そして変拍子いいよ変拍子(またか)。
    • tr9 "Requiem for the hermit":ちょ、こうきたか!あえて何のことかは書きませんが…


総合していえば、VoIはまたいい仕事をしてくれたと思います。基本的にアルバムとして外れたことはない感じです。そして毎回いろいろと想像力を掻きたてる、そして考えさせるテーマについてCDを作ってくるあたりが、いい仕事をしてるなぁと思うところですね。今回のYggdrasill Minstrelsyも「普通にオケの人に薦められる」レベルに音楽的にも面白い取り組みをしている上に、「ファンタジー好きな人にはなおのこと薦められる」内容になってます。おすすめ。