アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,土井宏明,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/03/01
- メディア: 文庫
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しばらく設定が理解できず最後のほうになってもいくつか理解できないままだったんですが解説読んでまぁ納得。アンドロイド(≒人工知能)と人類の違いというテーマを問題にした作品。この作品ではそれを「共感する能力」に求めているが、主人公はアンドロイドに対してsympathyを抱いてしまい、自身が本当に人間であるかということに疑いを持ち出す。設定はもはやチューリングテストを通るようになってしまったアンドロイドはどの段階で人間と違うとわかるのか、という部分に疑問を投げかけているのだけれど、ここまで精巧に作れるようになったのであれば見分けるほうの技術も進歩していないのが何か不思議に思えてしまう。でも人工知能がチューリングテストを通るようになった日には自分が人工知能であるかどうかという部分に対するidentity crisisが起きるんだろうな、というのは読んでみてなんとなく思うし、人工知能の発達していない時代にそれを問題にできたということがすごい。でも進め方と終わり方は読めなかったというよりよくわからなかった…。途中から先読みたい気にはなって面白いのは確かなんですがいまいち消化不良気味。読む力が足りてないのか。